ストレッチなどのセルフケアは腰痛対策としてかなり効果を発揮します。
慢性的な腰痛で、ヘルニアやすべり症などの器質的疾患がある方は無理せずに慎重に行いましょう。
腰痛対策の静的ストレッチ(スタティックストレッチ))
静的ストレッチの基本的な考え方や方法はこちらを御覧ください。
重要度
★★★ 多くの腰痛に効果が期待できます。
★★ 症状が合っていれば効果が期待できます。
★ 時間があればやりましょう。
★だからと言って効果が薄いという訳ではありません(劇的に効果がある場合もあります)
★★★は多くの腰痛症状に効果がある確率が高く、★1つは確率が低い事が多いです。
大腰筋
重要度★★★
【症状】
腰を反らして痛い。
立ち上がって腰を伸ばす時に痛い。
長時間立っていると痛い。
仰向けに寝て痛い。
大腰筋は腰痛においてとても重要な筋肉です。
腸骨筋と合わせて腸腰筋とも呼ばれます。
腰椎前面や腸骨(骨盤)の内側から鼠径部を通って大腿骨まで付着しています。
座っている時は短縮している筋肉で、後屈や立ち上がる時に伸長されます。
この筋肉が固いと下肢の前面や内側に繋がる血管や神経が圧迫されやすくなります。
片膝立ちで前後に足を大きく開きます。
腰を前へ動かして鼠径部を伸ばします。
大臀筋
重要度★★★
【症状】
前屈で痛い。
靴下を履く時痛い。
仰向けで腰を浮かすと痛い。
腿上げで痛い。
大殿筋は骨盤から大腿骨を繋ぐお尻の筋肉です。
下半身で一番大きな筋肉でもあるので、大臀筋も大きなポイントになります。
前屈みの動作で一番負担がかかる筋肉なので積極的に緩めましょう。
膝を立てて四の字の状態にします。
立てた膝を体に近づけて逆の足のお尻を伸ばします。
脊柱起立筋
重要度★★
【症状】
前屈で背骨が痛い。
脊柱起立筋は一般的に「背筋」と呼ばれる筋肉です。
腰痛の人はこの部分に痛みが出る事が多いので、ついここを揉みたくなりますが、この部分の痛みは他の筋肉が原因という事がとても多いです。
仰向けで膝を胸の方向に引き付けます。
広背筋
重要度★★
【症状】
下の物を拾おうと手を伸ばして痛い。
前屈で痛い。
広背筋は上腕から腰までを繋ぐ筋肉で、腰の上部の痛みやぎっくり腰に時折影響する筋肉です。
肘を持って逆側に体を倒します。
腰方形筋
重要度★★
【症状】
横に腰を倒して痛い。
腰方形筋は肋骨と腸骨(骨盤)を繋ぐ、背骨の側面を支える筋肉です。
腰を側屈(横に傾ける)させた時に痛みが出る場合は腰方形筋が影響している可能性があります。
横向きに寝た状態から手を突っ張って体を起こします。
脇腹を伸ばすようにします。
腓腹筋
重要度★
【症状】
前屈で深く曲げると痛い。
腓腹筋は脹脛(ふくらはぎ)の筋肉で踵と大腿骨を繋ぐ筋肉です。
腓腹筋→ハムストリング→骨盤と影響して腰の前屈に影響している事がある筋肉です。
アキレス腱伸ばしです。
腓腹筋を緩めておくと、肉離れやアキレス腱断裂を予防できます。
ハムストリング
重要度★
【症状】
前屈で痛い。
ハムストリングは太もも裏の筋肉です。
坐骨~大腿骨~脛骨・腓骨など下肢の後面に付着します。
腓腹筋と同じ様に前屈時に伸ばされる筋肉です。
前屈で痛みが出る人はここも緩めてみましょう。
片足で長座の姿勢から骨盤を前傾させて太腿の裏を伸ばします。
腹直筋マッケンジー
重要度★
【症状】
腰を反らして痛い。
腰を曲げて痛い。
腰を反らして痛い人には諸刃の剣になりかねないストレッチなので、決して無理をしないでください。
腕立て伏せの姿勢から腰の力を抜いて腰を反らします。
20秒ほど反らした後に腰を後ろに引いて腰を丸めます。
何度か繰り返し行ってください。
普通にやって腰に痛みが出る人は、手をつく位置を遠くについたり、肘をつく事で反らす角度を減らせます。
くれぐれも無理のかからないようにしてください。
反り腰の人や腰を反らすと強い痛みがある人はやらない方が無難です。
うつ伏せの状態から、手を突っ張って上半身を起こしてお腹を伸ばします。
大内転筋
重要度★
大内転筋は恥骨から坐骨にかけての骨盤から大腿骨の内側に付着する筋肉です。
内転筋群は様々な動きの中で股関節を安定させる時に使われる事が多いので、腰の様々な痛みに影響します。
しゃがんで、開脚して、お尻を落とします。
俗に言うヤンキー座りの大勢です。
この状態から上腕で足を広げて後方へ押します。
俗に言うヤンキー座りの状態から肘で膝を押して開脚します。
開脚
重要度★
骨盤から下肢に伸びる、薄筋、大内転筋、長・短内転筋などの筋肉を伸ばします。
ストレッチというとまず前屈か開脚を行う人が多いですが、腰痛に関しては開脚はそこまで重要度は高くありません。
時間があれば行いましょう。
誰もが知っている柔軟体操の代表的なものです。
腰痛対策の動的ストレッチ(ダイナミックストレッチ)
静的ストレッチの基本的な考え方や方法はこちらを御覧ください。
骨盤前傾
重要度★★★
【症状】
座っていて腰が痛い。
座り過ぎで腰痛になる人は骨盤が後傾しているケースがとても多いです。
ずっと骨盤後傾の姿勢でいると、骨盤を立てる事ができなくなってしまいます。
少しずつ動かす事で骨盤周辺の軟部組織の柔軟性が高くなるので、できる範囲で骨盤を動かしてください。
骨盤の前傾と後傾を繰り返して30回ほど行います。
コツは背中の背筋(脊柱起立筋)には力を入れずに股関節の筋肉で動かす事です。
固い人は無理に強くやらずに、回数をかけて少しずつ動かしていきましょう。
最初は動きが悪くても継続すると楽に動かせるようになります。
骨盤回し
重要度★★★
【症状】
腰痛全般
立位で骨盤を回します。
フラフープを回す動作がイメージしやすいです。
腰や股関節など様々な筋肉を無理なく動かすことができます。
左右30回くらい回しましょう。
大腰筋
重要度★★
【症状】
腰を反らして痛い。
立ち上がって腰を伸ばす時に痛い。
長時間立っていると痛い。
仰向けに寝て痛い。
大腰筋は前述の静的ストレッチで効果が無い人でも動的ストレッチで腰痛が改善する事がよくあります。
大腰筋の静的ストレッチの状態から腰を前後に大きく動かして、鼠径部を伸ばしたり緩めたりします。
無理に強く伸ばさなくても良いので、少しずつ可動範囲を広げていきましょう。
後ろ足に体重が乗ると大腰筋に力が入ってしまうので、前足に重心をかけるのがコツです。
股関節回し
重要度★★★
【症状】
腰痛全般
仙腸関節に痛みがある人。
股関節はたくさんの筋肉が360度周りを取り囲んでいます。
その筋肉の全ての繊維にストレッチをかけるのは容易ではありません。
そこで股関節をグルグルと回すと多くの筋肉を動かすことができます。
膝で大きな円を描くように回しましょう。
内回し・外回し、ゆっくりと20回くらい行いましょう。
膝倒し
重要度★★
【症状】
腰を捻って痛い人
腰を捻る動作は多くの人は腰椎を捻っている感覚だと思います。
実際には腰椎は5~10度しか捻れません。
残りの半分は胸椎、もう半分は股関節を使って腰を捻る動作を行います。
腰を捻って痛い人はぜひ股関節の回旋運動の動的ストレッチも取り入れましょう。
ジャックナイフ
重要度★
【症状】
前屈で腰が痛い。
座って足を投げ出して前屈をする、一般的なハムストリングのストレッチよりも、ハムストリングの体幹側をストレッチすることができます。
しゃがんだ状態から足首を手で持ったままお尻を高く上げます。
ストレッチの前に
腰痛改善のための努力をする場合、多くの人は痛みを減らすためにストレッチなどの腰に「プラスになる事」をやろうとします。
しかしそれよりも、
現状で腰に負担をかけている「マイナスになる事」を減らす方が効果は出やすいです。
ぜひ一度こちらのページも参考にしてください。
ある程度ストレッチを継続すると、普通にやっていても物足りなくなってきます。
もっと追い込んでストレッチをしたい人には別の方法もあるのでぜひご相談ください。
まとめ
慢性的な腰痛に対してストレッチなどのセルフケアは腰痛対策としてかなり効果を発揮します。
ただし、痛みを我慢して無理にやると逆効果になることもあります。
自分の体と対話しながら上手に行い腰痛からの早期回復を目指しましょう!
竹田 義浩(たけだ よしひろ)
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※効果には個人差があります
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