ストレッチ

シーバー病はオーバーユース(使い過ぎ症候群)からくる踵骨(かかとの骨)のスポーツ障害です。

踵に繋がる筋肉(下腿三頭筋)の緊張が緩む事で改善していくので、ストレッチ等のセルフケアで自分でもかなり改善することができます。

セルフメンテナンスを身につければ再発予防にも効果的です。

短期間での競技復帰を目指す人はセルフメンテナンスを頑張りましょう!

自分で努力してもどうしても改善しなければシーバー病専門家の堺自然整体院にご相談ください。

シーバー病の静的ストレッチ

シーバー病はストレッチを適切に行えばストレッチだけでも痛みは緩和していきます。

症状が強い時期は静的(スタティック)ストレッチ、症状が緩和してきたら動的(ダイナミック)ストレッチを取り入れましょう。

ストレッチについての基礎知識は、こちらのページに詳しく書いています。ご参照ください。

静的ストレッチの効果と方法

動的ストレッチの効果と方法

 

ストレッチや体操は絶対に痛みの無い範囲で行いましょう。

ストレッチ後に違和感や痛みがあるのもやり過ぎです。

 

腓腹筋

腓腹筋

シーバー病の痛みを感じる部位は踵骨(しょうこつ)(かかとの骨)です。

踵骨は腓腹筋というふくらはぎの筋肉がアキレス腱になり、アキレス腱が骨に付着する場所になります。

腓腹筋は脹脛(ふくらはぎ)の筋肉で踵の踵骨(しょうこつ)と大腿骨を繋ぐ筋肉です。

腓腹筋はシーバー病で痛む踵骨に付着しているので、直接的に影響する筋肉になります。

 

腓腹筋ストレッチ

腓腹筋をストレッチしようという情報はネットのあちこちで見かけますが、強く伸ばし過ぎると踵骨に強い牽引がかかり、また骨を痛めてしまいます。

腓腹筋はかなり弱く伸ばす程度にします。

静的ストレッチよりもページ下部にある動的ストレッチの足首回しをやる事をお勧めします。

多くのシーバー病は下半身全体的に筋肉の緊張が見られます。

他の部位をしっかりとやるようにしましょう。

 

ハムストリング

ハムストリング

ハムストリングは太もも裏側の筋肉です。

骨盤の坐骨~大腿骨~脛骨・腓骨など下肢の後面に付着します。

ハムストリングは腓腹筋と同じ様に足の後面にある筋肉なので関連性が強く、腓腹筋と影響し合います。

ハムストリングストレッチ

踵骨と直接繋がる腓腹筋の隣の筋肉なので、筋肉を包む筋膜同士が繋がる筋連結という関係性があります。

筋連結で繋がる筋肉はお互いにかなり影響があって、片方の筋肉が固くなると隣の筋肉も固くなりやすいです。

腓腹筋を緩めるためにもハムストリングはしっかりとストレッチしましょう。

体を前屈させる事に一生懸命になる人が多いですが、背骨を丸めても効果は薄いです。

背骨を曲げなくても骨盤を前傾させればしっかりと伸ばすことができます。

 

大臀筋

大臀筋

大殿筋は骨盤から大腿骨を繋ぐお尻の筋肉です。

下半身で一番大きな筋肉でもあり、ハムストリングと影響しあいます。

走ったり、屈伸したり、踏ん張ったり、スポーツでは良く使われる筋肉です。

大臀筋ストレッチ

四の字に足を組んでから膝を曲げてお尻の筋肉を伸ばします。

足を少し内側や外側に角度を変えるとお尻の色んな場所を伸ばすことができます。

骨盤が丸くなるとテンションが逃げるので、骨盤を立てるようにしましょう。

 

大腰筋

大腰筋

大腰筋は腰の中でもとても重要な筋肉です。

腸骨筋と合わせて腸腰筋とも呼ばれます。

大腰筋は大臀筋の拮抗筋になります。

腰椎前面や腸骨(骨盤)の内側から鼠径部を通って大腿骨まで付着しています。

腿上げをする時に働く筋肉で、ダッシュで足を後方に蹴る時に伸長されます。

この筋肉が固いと下肢の前面に繋がる血管や神経が圧迫されやすくなります。

座っている時は短縮している筋肉で、後屈や立ち上がる時に伸長されます。

この筋肉が固いと下肢の前面や内側に繋がる血管や神経が圧迫されやすくなったり、体のアライメントに問題が生じやすくなります。

大腰筋ストレッチ

図のように膝を立てた姿勢から腰を前に出すことで鼠径部を伸ばします。

歩幅を前後に大きくする方が伸ばしやすくなります。

後ろ足に体重が乗ると力が抜けないので、前足に体重を乗せましょう。

 

ここには全ては書ききれませんが、調整したい筋肉は他にもたくさんあります。

当院では下半身全ての筋肉を(人によっては上半身も)調整したいと考えています。

また一つの筋肉の中にも繊維はたくさんあります。
筋肉のどの部分にテンションをかけたいのかによって、方法は違ってきます。

細かい角度や、力加減、身体の他の部位の使い方など、細かい事はいくらでもありますが、正確に伝えるには現場でその人の癖に合わせたアドバイスをしないと上達しません。

来院された際にアドバイスさせて頂くのでしっかりと覚えて帰ってください。

 

その他

もしもっと自分でやってみたければ、「○○筋 ストレッチ」とネット検索すれば情報はたくさん見つかると思います。

中殿筋
梨状筋
大腿筋膜張筋
内転筋
前脛骨筋
腓骨筋
腰方形筋
腹直筋
腹斜筋
脊柱起立筋
広背筋

たくさんありますが、どの筋肉もシーバー病の痛みに影響する可能性がある筋肉です。

早く回復したい人や時間がある人はぜひ様々なストレッチを試してみてください。

 

シーバー病の動的ストレッチ

筋肉は伸ばすだけではなく、動かす事でも緩んできます。

動的ストレッチの回数は15回くらい行います。

高齢の方や身体が弱い人は5回くらいから少しずつ増やしましょう。

1周終わった後にもう1周行う(2セット行う)とより効果的です。

痛みが全く無いように行いましょう。

 

股関節回し

股関節回し

下肢の多くの痛みに股関節は密接に関係しています。

グルグルと大きく回す事で股関節の大半の筋肉を動かしましょう。

仰向けで片足を90度曲げます。

膝ができるだけ大きな円を描く(遠くを通る)ように股関節を回します。

骨盤を浮かさないように腰を固定しましょう。

内回し、外回しを15回ずつ行います。

 

足首回し

足首回し

座って足を投げ出した状態で足首をクルクルと回します。

内回し、外回しを15回くらい行います。

足の指の間に手の指を絡めて、足首を回す時に、指の曲げ伸ばしも一緒にやると更に効果的です。

 

股関節回旋

股関節回旋

股関節が膝や足首の関節と違うのは「捻る(回旋)」という動作ができる事です。

床に座り足を投げ出す。

座って開脚して足を伸ばす。

仰向けに寝て足を伸ばす。

それぞれのポジションで足全体を捻り爪先が内外へ向く様に15回転がします。

股関節周囲の様々な筋肉に効果があります。

 

膝倒し

膝倒し

仰向けで膝を立てて、足は肩幅より広めにします。

両膝を内側と外側へ倒して股関節を内外へ捻るように15回ほど動かします。

骨盤が浮かないように注意します。

股関節周囲の様々な筋肉に効果があります。

 

大腰筋

大腰筋動的ストレッチ

大腰筋のストレッチのポジションで腰を前後15回に動かします。

鼠径部が伸びたり縮んだりする事を意識しましょう。

後ろ足に体重が乗ると緩みにくいので前足に体重を乗せるようにします。

不安定なら壁など何かを持ちましょう。

大腰筋に効果があります。

 

ジャックナイフ

ジャックナイフ

しゃがんだ状態で足首を持ちます。

手を離さずにお尻を持ち上げてもも裏を伸ばします。

身体が固い人は膝が伸び切らなくても大丈夫です。

腓腹筋と直接関係するハムストリングに効果があります。

 

シーバー病のセルフケア

ストレッチで筋肉を弛緩させる事はとても重要ですが、それ以外にも痛みを改善する手段はあります。

 

足のアーチ

足のアーチ

シーバー病の症状が出る踵骨には足底の筋肉も繋がっています。

疲労が蓄積して足のアーチが落ちてくると足底の筋肉にもテンションがかかってしまいます。

アーチが落ちている人の場合、自分で足のアーチをつけるようにする事でシーバー病の痛みが軽減する事があります。

掌やタオルを土踏まずの下に入れて全体重を何度かかける事で足のアーチがついてきます。

これで楽になるならアーチを支えるインソールを使うのも有効です。

 

横引き

下腿横引き

下腿(ふくらはぎ)の筋肉をを手刀や掌底で捉えて下腿を捻る方向に筋肉をスライドさせてます。

筋肉の滑走性(動き)が悪い部分を改善します。

 

風呂

温泉

オーバーユースによる痛みの場合、筋肉の緊張を改善させるのに温める事はとても有効です。

多くの人が、「お風呂を出た時はシーバー病の痛みは楽になります」と言われます。

温熱効果で筋肉が緩み、血流も改善します。

少し長めに入浴して身体を温めるようにしましょう。

アイシングで冷やし過ぎると筋肉がカチカチになってしまい回復が遅くなるので、アイシングは中止しましょう。

 

姿勢

姿勢

シーバー病などのスポーツ障害で来院される方を見ていると姿勢が悪い人がとっても多いです。

猫背になって骨盤が後傾(後ろに傾く)する座り方になると、背骨や骨盤に負担がかかり、下肢の筋肉が緊張しやすくなります。

姿勢は身体の不調と強く関係するので、短期間で回復を目指す人はぜひ姿勢を改善しましょう。

来院された際にあなたに合わせたアドバイスをさせていただきます。

ある程度ストレッチを継続すると、普通にやっていても物足りなくなってきます。

もっと追い込んでストレッチをしたい人には別の方法もあるのでぜひご相談ください。

 

まとめ

シーバー病はオーバーユースが原因なので、ストレッチやセルフケアをしっかりするだけでもかなり回復できる症状です。

姿勢の修正や生活習慣の見直しもできると、より改善しやすくなります。

早くスポーツに復帰できるように頑張りましょう!

自分で色々と頑張ってもまだ痛みが残る人は、シーバー病の専門家の堺自然整体院にご相談ください。

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竹田 義浩(たけだ よしひろ)

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