オスグッド病はオーバーユース(使い過ぎ症候群)が原因で起こる膝のスポーツ障害です。

筋肉の緊張が緩む事で回復に向かうので、ストレッチ等のセルフケアで自分でもかなり改善することができます。

自分でできるセルフメンテナンスを身につければ再発予防にも効果的です。

早くスポーツに復帰したい人は面倒くさがらずに頑張りましょう!

 

ストレッチや体操は絶対に痛みの無い範囲で行いましょう。

ストレッチ後に違和感や痛みがあるのもやり過ぎです。

 

オスグッド病の静的ストレッチ

オスグッド病はストレッチを上手にできればストレッチだけでも改善します。

痛みが強い間は静的(スタティック)ストレッチ、強い痛みが動的(ダイナミック)ストレッチを取り入れましょう。

ストレッチについての基本的な知識は、こちらのページに詳しく書いてあるので参照してください。

静的ストレッチの効果と方法

動的ストレッチの効果と方法

 

大腿四頭筋のストレッチ

大腿四頭筋

大腿四頭筋は骨盤や大腿骨から膝蓋骨を介して脛骨まで繋がる筋肉です。

大腿直筋、中間広筋、外側広筋、内側広筋の4本の筋肉の総称になります。

膝を伸ばす時に働く筋肉で、オスグッドの痛む部分に直接繋がる筋肉です。

大腿四頭筋ストレッチ

オスグッド病の痛みを感じる部位は脛骨粗面(膝のお皿の下)一点のみです。

ここは大腿四頭筋という大腿(ふともも)の前側の筋肉が膝蓋骨(お皿)→膝蓋靭帯と繋がって、最終的に脛骨(スネの骨)に付着する場所になります。

ですから、大腿四頭筋をストレッチしようという情報はネットのあちこちで見かけますが、強く伸ばし過ぎると傷めている脛骨粗面に強いストレスがかかって、回復が遅くなります。

大腿四頭筋はかなり弱く伸ばす程度にして、他の部位をしっかりとやるようにしましょう。

 

ハムストリングのストレッチ

ハムストリング

ハムストリングは太もも裏側の筋肉です。

大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋の3本の筋肉の総称です。

骨盤の坐骨~大腿骨~脛骨・腓骨など下肢の後面に付着します。

ハムストリングは大腿四頭筋と同じ大腿部にある筋肉で、大腿四頭筋の拮抗筋(真逆の動きをする筋肉)なのでオスグッドの痛みにも影響します。

ハムストリングストレッチ

同じ関節で反対の動きをする筋肉を拮抗筋と言います。

筋肉は片側の筋肉が固くなると反対側の筋肉も固くなってしまいます。

前側と後ろ側、外側と内側のように対になる筋肉も忘れずにストレッチしましょう。

骨盤に対して足を外側へ開いてやると内側ハムストリング(半腱様筋、半膜様筋)、内側へ閉じてストレッチをすると外側ハムストリング(大腿二頭筋)にテンションをかけることができます。

 

大臀筋

大臀筋

大殿筋は骨盤から大腿骨を繋ぐお尻の筋肉です。

下半身で一番大きな筋肉でもあり、外側広筋と繋がる腸脛靭帯やハムストリングと影響しあいます。

走ったり、屈伸したり、踏ん張ったり、スポーツでは良く使われる筋肉です。

オスグッドの場合、ほとんどの人が屈伸が痛いと言われます。

屈伸時に強い負荷がかかるのは大腿四頭筋と大臀筋です。

屈伸、ダッシュ、ジャンプ、オスグッドで痛いほとんどの動作に大臀筋は関わってきます。

下半身で一番大きな筋肉でもあるので、大臀筋も大きなポイントになります。

大臀筋は股関節の屈曲だけではテンションがかかりにくいので、股関節の外旋も入れる事でしっかりとテンションをかける事ができます。

 

大腰筋のストレッチ

大腰筋

大腰筋は腰の中でもとても重要な筋肉です。

腸骨筋と合わせて腸腰筋とも呼ばれます。

腰椎前面や腸骨(骨盤)の内側から鼠径部を通って大腿骨まで付着しています。

大腰筋は大臀筋の拮抗筋になります。

腿上げをする時に働く筋肉で、ダッシュで足を後方に蹴る時に伸長されます。

座っている時は短縮している筋肉で、後屈や立ち上がる時に伸長されるので、長時間座っていると固まりやすくなります。

大腰筋が緊張すると鼠径部の部分で大腿に繋がる血管や神経を圧迫する事があったり、体のアライメントに問題が生じやすくなるので、オスグッドの改善には欠かせない部位になります。

大腰筋ストレッチ

図のように膝を立てた姿勢から腰を前に出すことで鼠径部を伸ばします。

歩幅を前後に大きくする方が伸ばしやすくなります。

後ろ足に体重が乗ると力が抜けないので、前足に体重を乗せましょう。

オスグッドの部分が床に当たって痛ければクッションなどを入れると痛みは大丈夫になります。

 

その他

細かい事を言うとまだまだやるべき筋肉はたくさんあります。

本来は下半身全ての筋肉を(人によっては上半身も)緩めるのが回復の近道と考えています。

また一つの筋肉の中でも、その筋肉のどの部分を伸ばしたいのかによって、ストレッチの方法は違ってきます。

細かい角度や、力加減、身体の他の部位の使い方など、言いたい事はいくらでもありますが、正確に教えるには1対1でその人の癖に合わせた指導をしないと中々上手くいきません。

来院された際にお伝えさせて頂くのでしっかりと覚えて帰ってください。

 

もしもっと自分でやってみたければ、「○○筋 ストレッチ」とネット検索すれば情報はたくさん見つかると思います。

  • 中殿筋
  • 梨状筋
  • 大腿筋膜張筋
  • 内転筋
  • 腓腹筋
  • 前脛骨筋
  • 腰方形筋
  • 腹直筋
  • 腹斜筋
  • 脊柱起立筋
  • 広背筋

めっちゃたくさんありますが、どの筋肉もオスグッド病に影響する可能性がある筋肉です。
(人によっては他にもポイントとなる筋肉がある場合もあります)

時間が取れる方はぜひトライしてみてください。

オスグッド病の動的ストレッチ

筋肉は時間をかけて伸ばすだけで良い状態になるとは限りません。

固まった筋肉はたくさん動かす事で筋肉や筋膜の滑走性が改善して良い状態になる事も良くあります。

静的ストレッチで痛みが緩和されてきたら、ぜひ動的ストレッチも取り入れてください。

 

動的ストレッチの回数

動的ストレッチの回数は15回を目安にストレッチを行います。

高齢の方や運動習慣が無い人は5回くらいから初めてもOKです。

多過ぎると筋肉が疲労してしまいます。

各々が一通り終わった後にもう1セットやる(2周する)とより効果的です。

あまり力を入れずに、痛みを感じないように行いましょう。

 

股関節回し

股関節回し

仰向けの状態で片足を90度曲げます。

膝ができるだけ大きな円を描くように股関節を回します。

骨盤は動かさないようにしましょう。

内回し、外回しを15回ずつ行います。

 

足首回し

足首回し

座って足を投げ出した状態で足首をクルクルと回します。

内回し、外回しを15回くらい行います。

 

股関節回旋

股関節回旋

座ってまっすぐ足を投げ出した状態

座って開脚して足を伸ばした状態

仰向けに寝て足を伸ばした状態

それぞれのポジションで足全体を捻り爪先が内外へ向く様に15回転がします。

股関節周囲の様々な筋肉に効果があります。

 

膝倒し

膝倒し

仰向けで膝を立てて、足は肩幅より広めにします。

両膝を内側と外側へ倒して股関節を内外へ捻るように15回ほど動かします。

骨盤が浮かないように注意します。

股関節周囲の様々な筋肉に効果があります。

 

大腰筋

大腰筋動的ストレッチ

大腰筋のストレッチのポジションで腰を前後15回に動かします。

鼠径部が伸びたり縮んだりする事を意識しましょう。

後ろ足に体重が乗ると緩みにくいので前足に体重を乗せるようにします。

不安定なら壁など何かを持ちましょう。

大腰筋に効果があります。

 

ジャックナイフ

ジャックナイフ

しゃがんだ状態で足首を持ちます。

手を離さなずにお尻を持ち上げてもも裏を伸ばします。

身体が固い人は膝が伸び切らなくても大丈夫です。

大腿二頭筋に効果があります。

 

恥骨筋

恥骨筋動的ストレッチ

膝をついた四つ這いで大きく膝を広げます。

腰を前後に15回動かして内股の筋肉を伸ばします。

痛いようなら膝の幅を少し狭くします。

恥骨筋に効果があります。

 

ラジオ体操

ラジオ体操

ラジオ体操はとても良くできた動的ストレッチです。

下半身の運動は少なめですが、上半身はかなり動かします。

肩こりや上半身のトラブルがある人はぜひ行ってみてください。

 

オスグッド病のセルフケア

一般的にストレッチは筋肉を弛緩させるために行います。

筋肉を弛緩させる事はとても重要ですが、それ以外にも痛みを改善する手段はあります。

 

大腿四頭筋

大腿四頭筋横引き

大腿(ふともも)の筋肉をを手刀や掌底で捉えて大腿を捻る方向に筋肉をスライドさせてます。

筋肉や筋膜の滑走性(動き)が悪い部分を改善します。

 

膝蓋靭帯

膝蓋靭帯挟定

オスグッドの痛みのある場所と膝蓋骨(お皿)の間の膝蓋腱を両側から挟むように抑えます。

固定したまま30秒キープします。

 

風呂

温泉

筋肉の緊張を改善させるのに温める事はとても有効です。

多くの患者さんが、「お風呂後にはオスグッドの痛みは楽になります」と言われます。

温める事で筋肉が緩み、血流も良くなります。

しっかりとお風呂に浸かって身体を温めるようにしましょう。

アイシングで冷やし過ぎると逆効果になるので、アイシングは中止しましょう。

こちらの記事も参考に→冷やす?温める?

 

姿勢

姿勢

足のスポーツ障害で来院される方を見ていると姿勢が悪い人がとっても多いです

猫背になって骨盤が後傾(後ろに傾く)する座り方になると、背骨や骨盤に負担がかかったり、立っている姿勢でもバランスが悪くなり大腿四頭筋が引っ張られやすくなります。

皆さんが思っている以上に姿勢は身体の不調と関係するので、ぜひ姿勢を見直してみましょう。

来院された際は座り方や立ち方を見て、患者さんに合わせたアドバイスをさせていただきます。

ある程度ストレッチを継続すると、普通にやっていても物足りなくなってきます。

もっと追い込んでストレッチをしたい人には別の方法もあるのでぜひご相談ください。

 

こちらの記事も参考にしてください→デスクワークの姿勢

 

まとめ

オスグッド病はオーバーユースによる筋緊張が原因なので、ストレッチやセルフケアをしっかりするだけでもかなり改善できる症状です。

姿勢の修正や生活習慣の見直しもできると、より改善しやすくなります。

早くスポーツに復帰できるように頑張りましょう!

自分で色々と頑張ってもまだ痛みが残るのなら、堺自然整体院にご相談ください。

 

オスグッド病の専門家の堺自然整体院

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竹田 義浩(たけだ よしひろ)

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